憲法を守ることではなく使うことが必要だ

 虹の日記(byどろさん)の記事を読んで、コスタリカという国が非常にアグレッシブな平和主義を主張しているんだと感じました。もちろん、コスタリカの歴史をwikipedeliaで見てみても、紆余曲折をしているようです。常設軍は廃止していても、警察による武装が警察権力としては大きかったり、アメリカのニカラグア政策に協力したり、イラク戦争に賛成するなど、非武装平和主義とはずれたベクトルに傾きかける事もあるようです。
 しかしながら記事の中にあるように紛争解決に積極的に乗り出す大統領が当選したり(ついでにアメリカも追い出してしまったり)、イラク戦争支持の大統領宣言を裁判所が取り消すことができたことなど、まさに“戦う平和主義”とでも呼べるような活動もきちんと盛り返してくるんですよね。(追記*1
 それに比べ日本は政治家は憲法を知らず、裁判所も不甲斐なく、憲法を守ろう・生かそうというだけで“政治的”とみなされてしまう不思議さ。憲法にのっとった政治ができていない国が、果たして自主憲法(自慰憲法とでも呼びましょうか)を制定して生かすことができるのか。はたまた、憲法と言えるものができるかということ自体疑問符がつくでしょう。


 ところで、コスタリカついで、というか本質的に言及しなければならないのはこのゲームです。



 先月の29日に販売されたMetal Gear Solid Peace WalkerというPSPのゲームなのですが、このゲームの舞台はまさにここコスタリカなのです。あらすじを簡単に説明しますと、
 BIG BOSSと呼ばれる主人公がコロンビアで傭兵組織を営んでいたときに、コスタリカの国連平和大学から1人の教授と1人の学生が来てコスタリカに駐留する軍隊を追い出してくれと頼む、というところから物語が始まります。



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 体験版の一部でにオープニングの一場面が収録されているのですが、その中で国連平和大学の教授がコスタリカの「憲法12条」の話題を、それに対してBIG BOSSのパートナーであり日系のミラー・カズヒラが日本の「憲法9条」の話題をストレートに述べています。果たしてここまで政治的な*2話題を組み込んだゲームは見たことがないんですよ。しかもこのゲームの主題は“核抑止”ということで今現在の非常にタイムリーな話題でもあります。



 自分はこのMetal Gear Solidシリーズが非常に好きで、制作者である小島監督*3をとても尊敬しているのですが、ついにこの問題を主題に添えたんだなと、変な感慨にも浸っております*4。現在お金やら何やらがないので自分はプレイできませんが、もし気になる人がいらっしゃったらシリーズの最初からやってみることをお勧めいたします。



 Metal Gear Solid Peace Walkerの予告版はこちら↓

*1:どろさんがコメント欄で解説してくださいました

*2:だから政治的な話題ではないんですけどね…。

*3:ファンは皆彼のことを監督と呼ぶのです。

*4:Metal Gear Solidシリーズの全体を通してののテーマは、反戦反核です。これは監督本人も当初から言ってることです。今作の中で主人公であるBIG BOSSが核を持たざるを得なくなっていくのがこの物語の流れであるのは、シリーズ全体をみるとよくわかるのですがそれ自体アンチテーゼになるのだと思います。これは自分の予想なのですが、コスタリカの現実の歴史を見てもBIG BOSSはコスタリカから追い出されてしまうのだと予想しています。